今回は再質問の続き、8月豪雨のテーマも今回で最終です。
8月豪雨のあと、市民のみなさんや市の担当者とお話しをする中で、避難指示の発令をはじめとする市の災害対応について、市の意図が市民に伝わっていないだけでなく、意図と異なる捉え方をされていることが多いと感じました。
元行政職員としても、なんとも歯痒い…。
行政と市民それぞれの立場で同じ経験をしたこの大雨を振り返り、災害発生時には表に出てこない「行政の意図」を共有することで、行政と市民の心理的な距離を近づけば、と思います。
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(1番 中土議員)
続きまして、防災行政無線、こちらについてです。
防災行政無線については、声が明瞭に聞こえないので、明瞭に聞こえるように整備して欲しい、といった声も聞かれます。
しかしながら、スマートフォンや携帯電話といった端末においてエリアメールやタウンメールで同じ情報を受け取ることができます。
高齢者を中心に、そういった端末を使っていらっしゃらない方がいるのも事実です。
しかし、そういった現状が現状のまま何年・何十年と続くのではなく、こういった個人所有の端末の普及率は徐々に高くなるのは間違いありません。
防災行政無線に限った話ではありませんが、30年後・50年後のことも視野に入れて考えて、個人所有の端末を用いたデジタルを基本にし、デジタルに対応できない方に対してはハードを整備して対応するのではなく、ソフトで手当てすべきだと考えます。
市としての防災行政無線の今後のあり方、整備、展望などについてお尋ねします。
(総合政策部長)
再質問にお答えいたします。
防災行政無線につきましては市の主要な防災情報の伝達手段であり、今後も安定した情報の発信に向けて、整備は必要であるというふうに考えております。
また、議員ご質問の通り、パソコンや携帯端末等を活用しまして、情報の収集ができる本市の各種情報ツールであります、エリアメール、緊急速報メール、湖南市の公式アプリこなんいろ、湖南市の LINE 公式アカウント、 メール配信サービスを活用した防災情報の充実を図ることも重要であるというふうに考えておりまして、近年想定を超える様々な災害が発生する今日におきましては、市民の皆様の生命と暮らしを守ることを最優先に的確な情報の発信と情報が収集いただけるように取り組んでまいりたいというふうに考えております。
(1番 中土議員)
各種情報ツールを活用してとの答弁をいただきました。
防災行政無線の明瞭さには限界があります。
一方で個人所有のデジタルツールはこの先ますます普及していきます。
補足としまして、令和2年情報通信白書、見ますと、年齢階層別インターネット利用率というのが載ってまして、2018年時点では80歳以上のこのインターネット利用率が21.5%だったものが1年後の2019年には 57.5%になっています。
こういった形で高齢者だからインターネットが活用できない、いうことは年々解消されていくと、なので先ほども申し上げたように、30年後50年後を見据えた整備、こちらを訴えたいと思っています。
防災行政無線から音声が流れることによって音声の内容以上に何かしら 災害に関する情報が市から発せられたということに気がつく、きっかけとして防災行政無線が機能し、そのきっかけから災害関連情報を得る、そして自らの危険性を判断する、という行動につなげられればいいと私自身は考えます。
しかしながら、せっかく、きっかけを得てもどこに情報を取りに、アクセスすればいいのか、詳細な災害関連情報がどこに行ったら得られるのか、これがわからないと自らの危険性を判断できません。
また 6点目の電話での問い合わせについて、17件あったとの答弁も頂きました。
市から発せられた情報が分かりづらかったり、足りなかったり感じられた市民のうち、実際に市役所まで電話をされる方は、ほんの一握りです。
また、市役所からのプッシュ型、市役所から発する情報発信では伝えられない情報であったとしても、市ホームページへの掲載などのプル型、市民から取りに来てもらう側の情報発信によって、そちらを詳細に発信することで、市民がそこにアクセスすることで電話への問い合わせまで至らないこともあると思います。
仮に1件の電話対応にかかる時間が3分であったとしても、災害対応の慌ただしい時間の中において17件あれば、1時間弱、職員の手が取られます。
そういった視点からも、災害関連情報を一元化したページをホームページに掲載していただき、災害時に市民がそこにアクセスするよう誘導していただきたいと思います。
今回の豪雨に対する市の対応について、市民が疑問を感じたり、意図が伝わっていなかったりすることがあると思います。
例えば、今回、市全域に避難指示が出されたものの、結果的には、結果的には大きな被害はありませんでした。
この避難指示と結果だけをとらえて、いわゆる市役所がオオカミ少年のように捉えられてしまう懸念があります。
実際の事象である今回の豪雨について、行政と市民が情報を共有し共に振り返ることで、行政と市民の意識のすり合わせにもなり、今後にも活かせると考えます。
今回の豪雨における気象情報、市が得ていた情報、市の判断や対応、その根拠や狙い、そして振り返っての反省点など、これをタイムラインにまとめ、市広報や各戸回覧で共有することで、この今回の大雨という一つの共通の経験を学びの機会に変えたいと思うのですが、そういったことを提案したいのですが、いかがでしょうか。
(総合政策部長)
再質問にお答えいたします。
防災、災害における振り返りにつきましては、災害対応の経験の継承とか、 災害対応、対応力の強化の観点から非常に大切であり、重要なことであるという風に認識しております。
今回の豪雨の対応につきましても当時の気象情報や災害発生状況などを記録した資料を作成しており、避難指示を発令させていただいた根拠 や、発令後、市民の皆様にとっていただくべき行動なども併せて、それを時系列にまとめさせていただいたタイムラインを作成しておりまして、ホームページや広報に掲載させていただくことで、市民の皆様と共有し、新たな災害への対応をしてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
(1番 中土翔太議員)
明瞭に聞こえにくい一方で市内全域に鳴り響く防災行政無線、文章による情報を対個人に発せられる一方で利用されていない市民もいる個人端末へのメール、多くの情報を掲載できる一方で市民がアクセスしてはじめて情報を伝えることができるホームページ。
それぞれのツールのメリットデメリットを上手く組み合わせ、相互に補完し合って適正に最小なコストでもって最大の機能が発揮できるように考えていただきたいと思います。
しかしながら、既存の各種ツールを最大限に活用した上でカバーしきれない部分も出てくると思います。
こういった部分は、危機管理と福祉で精査いただきまして、ソフトでカバーする仕組みを考えていただきたいと思います。
もちろん、市民一人ひとりが今以上に災害をジブンゴトとして捉え、いざというときは自分の危険性を自ら判断できるよう意識を高める必要があります。
大きな災害が発生したとしても、湖南市が誰ひとり取り残されることのないまちであるよう期待して、次の項目に移らせていただきます。